障害者でも活躍できる!障害者福祉の現場で知った大きな可能性

 

1章.一般の人が持つ障害者のイメージと現実のギャップ

2024年7月、私は初めて、障害者福祉という業界で働くことになりました。


経緯などは省略しますが、

異なる業界から未経験で入ったからこそ気付く「障害者のイメージ」とのギャップがあったのを覚えています。

 

あなたは、どうでしょうか?
障害者と聞いて、どんなイメージをお持ちですか?

身体障害者は、車椅子や白杖など、たまに見かけることがあるので、見た目でも分かりやすいと思います。

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でも、見た目では分かりにくい知的障害者や精神障害者は、どうでしょう?

私はそうだったのですが、多くの人にとって、こんなイメージではないでしょうか?

 

・知的障害者:表情がおかしかったり、まともなコミュニケーションも取れない人
・精神障害者:精神病院に隔離されていて、妄想や幻覚の症状があって叫んだり、暴れたりする人

 

 

例えば、計算や推測が苦手だったり、人前で話すのが苦手だったり、小さなことを気にし過ぎて疲れてしまったり・・・

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そして、苦手なことをやりやすいように配慮してあげたり、訓練したりすることで、一般人と同程度かそれ以上の能力を発揮する方もいるのです。

 

それを知った私は、思いました。


「障害者というだけで、こんな人達が社会で活躍できないのは、もったいない!」
「彼らが自立し、活躍できる場を作れたら、もっと、この国は元気になる」

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2章.障害者支援の現実と社会的役割 

2-1.データと体験から見る障害者の現実

内閣府によると、令和5年度の時点で、身体障害者436万人、知的障害者109万4000人、精神障害者614万8000人と、年々、その数は増え続けています。

 

日本人の約9%が障害者と定義される人であり、私達が思っているより、多くの人が障害者と呼ばれる人なのです。

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障害者雇用数に関しては、国の障害者雇用率を上げる方針もあり、令和6年時点で64万人超と増え続けていますが、

全体からすると、まだまだ足りていません。

 

雇用されていない人、雇用されていても、パート職員や時短勤務が多く、賃金が低い人が多いのが現実です。

 

その中でも、知的障害者は、単純作業がメインになることも多く、

精神障害者は、時短やパートでしか働けない方も多いため、平均賃金は月給15万程度になるようです。

 

そもそも、働くこともできない方の中には、生活保護を受けていてもギリギリの生活をされている方、お金の管理ができずに借金を背負っている方も多く、

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彼らのリアルな声を聞くまでは、ここまで酷い状況だということを知りませんでしたが、これが、日本の現実なのです。

 

2-2.変わってきた企業の役割

このような現状の中、日本企業も少し変わってきたように感じます。

以前は、政府から求められる障害者雇用率の義務があるので、仕方なく障害者を雇用し、

一般社員の邪魔にならないように、掃除や雑用などをやらせるところが多かったようです。

 


実際に実習に行かれた障害者の方に話を聞くと、

そこでは、障害者に雑用ばかりやらせたり、特別扱いするのでなく、一般の方と同じように仕事ができる環境があるそうです。

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2-3.障害者就労支援事業所の役割

企業の取り組みも変わってきましたが、1人では就職活動ができない方へ、企業への橋渡しをするのが、障害者就労支援事業所です。

 

一般企業への就職のための訓練を行う就労移行支援事業所、

一般企業では働けない人を雇用して、働きながら訓練を行う就労継続支援A型事業所、

毎日決まった時間に働くことも難しい方のために、雇用されずに仕事をしながら訓練を行う就労継続支援B型事業所があります。

 
私は、就労移行支援事業所に出会ったことがきっかけで、障害者福祉に興味を持ったのですが、そこで、能力以外の課題を知りました。

 

就職活動以前に、
・毎日、同じ場所に安定して通う。
・指示されたことを正確に行う。
・報連相も含め、他人とコミュニケーションを取る。

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それでも、就労移行支援所に通ううちに、週2回しか来れなかった人が、週5回来れるようになったり、

自己発信が無く、笑顔も無かった人が、笑顔で挨拶や報告ができるようになっていくのです。

 

もちろん、資格学習や作業訓練、就職活動の練習もしており、新しいスキルを習得し、意外な才能を発揮する方もいますが、

 

それこそが、就労支援事業所の役割だと思います。

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2-4.障害者の自立による社会へのメリット

では、企業の取り組みや障害者就労支援事業所により、障害者の方が自立できると、どんな社会へのメリットがあるのでしょうか?

 

私は、以下の3つが主なものだと思います。

 
①労働力と税収
②個人としての生きがい
③家族の負担減

国としては、今まで働けずに補助金をもらっていた障害者の方が、働けるようになるので、労働力の増加と税収アップが見込めます。

 

障害者個人としても、国の制度や他人に頼らず、1人で自立して生きていけること、そして、誰かの役に立てることは、大きな生きがいになります。

 

ちなみに、私の感覚ですが、「働くのが面倒」「楽に稼ぎたい」と言っている健常者の人より、

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そして、彼らが自立できるということは、支えていたご家族の負担が減ることにも繋がります。

そして、それは、ご家族の方の社会的役割も、今以上にこなせることを意味します。

 

もちろん、障害をお持ちの家族が、邪魔だとは思っていないでしょうけれど、自立してくれるなら、将来の安心もあるはずです。

3章. 障害特性や個性に応じたフォローで拡がる活躍の場 

3-1.苦手を補うフォローがあれば、活躍できる!

では、障害者の方の「苦手な部分」を補うフォローとは、実際に、どんなことをしているのでしょうか?

 

身体障害者の方の場合は、主に、ユニバーサルデザインの職場環境や道具を整備することが中心になります。

 

例えば、

 
・車椅子の人が通れる幅広い廊下や段差の無いフロア、手すり
・手指が動きにくい人や片麻痺の人のための片手で使える道具
・視覚障害者のための音声読み上げ機能付きスマホやパソコン

など、物理的なものをメインに、周りの人が手伝ってあげるなどの配慮も必要になります。

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知的障害者の場合は、


・言葉による説明ではなく、実際にやって見せる指示を中心にする
・覚えるのが遅くても、何度でも根気よく教える
・決まった手順を作り、ルーチン化する

など、仕事を覚えてもらう時の配慮が必要です。

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精神障害者の場合は、
・たくさんの仕事を一度に頼まない
・職場に通う楽しみや安心感を作る
・個別に話を聞く機会を多めに取る

など、心を安定させながら仕事ができる配慮が必要です。

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このように、障害特性に応じた配慮があれば、彼らの活躍の場は拡がります!

過度に気を遣うのではなく、仲間として、苦手な部分を補ってあげる。


そんな想いが大切なのかなと思います。

 

3-2.健常者以上の能力を発揮する障害者の方もいるという事実

上記のような配慮をすると、人によっては、健常者以上の能力を発揮される障害者の方もいます。

私も、それに気づいた時には驚きました。


知的障害者の方は、覚えるまでに時間がかかっても、覚えてしまうと、黙々と集中して安定した作業を行います。

 
健常者の方よりも、集中力が高く、作業スピードが下がらない方もいます。

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精神障害者の方は、元々、能力的には低くないので、しっかり訓練すれば、かなりの能力アップをされる方が多いです。

 

例えば、
 

・名前や住所、連絡先からなる顧客情報をパソコン内に転記する作業では、平均1枚1分のところを、40秒でできる人がいます。

 
・一般人でも難しいPCスキル資格の1級レベルに合格する人がいます。
 

・200枚の書類の分類を、30分以内に、ミス1つなく、完了できる人がいます。

健常者の方でも、できない人が多い中、訓練で培ったプロ級の能力を発揮する方もいるのです。

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そんな人達が、「障害者」というだけで仕事が無かったり、体調が安定せずに働きに行けないというのは、本当にもったいない!

だからこそ、そんな彼らが活躍できる場が、もっと増えればいいと願っています。

 

4章: 「障害者が活躍できる場を作る」という私の夢

上記のような経験もあり、私は「障害者が活躍できる場を作る」という夢を持つようになりました。

 

今は、資金面、経験面、人材面でも不十分で、すぐには実現できませんが、

将来的には、自分で行っている「生わらび餅の販売」や目標にしている「楽器が弾けるカフェ開業」と関連させ、

障害者の方を雇用したり、彼らが創作した作品を販売したりといったことを考えています。

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個人でできることは限界があります。

でも、1人でも多くの障害者の方が、自分の居場所を見つけ、社会で活躍できる場所を持てたらいいなと、そんな想いで進んでいます。

 

障害者福祉事業に繋げたい!

そんな想いに共感して下さった方は、わらび餅も見ていって下さい。

メニューは、こちらです。

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