カウンセリング業界に大きな影響を与えた"3つの心理学"を考える

障害者福祉に関わって1年半。
これまでは、学んできたコーチングをベースにした関わり方をしてきました。
もちろん、悪くはなかったのですが、何もやる気を起こせないくらいの精神障害の方を相手にする場合、
併走と動機付けをメインにしたコーチングより、
受容と共感をメインにしたカウンセリングの方が良いのでは?
そう思うようになり、心理カウンセラーの資格学習を始めてみました。

本記事では、アウトプットも兼ねて、心理学の基礎知識と、私なりの考えをお伝えしていこうと思います。
1.心理学とカウンセリングの歴史
心理学は、「人はなぜ悩むのか」「心はどう動くのか」を理解しようとする学問です。
元々は、アリストテレスの「霊魂論」から始まる哲学に近いものでしたが、時代が進むにつれ、実際に人を支えるための知恵として発展してきました。
そして、心理学の父と呼ばれるヴィルヘルム・ヴントの「構造主義心理学」から始まり、「機能主義心理学」「行動主義心理学」など、いろいろな学派に分かれていきました。
カウンセリングも、そのような心理学の発展の流れの中で生まれ、
「問題を解決する」よりも「その人を理解する」ことを大切にする心理療法として、確立されてきたものです。
現在のコーチングや障害者福祉も、この考え方を受け継ぎ、相手の背景や感じ方を尊重しながら、関わる支援へと広がっています。

精神障害者や心の病で休職する人が増えている日本で、カウンセラーなどの「心に向き合う専門家」のニーズは、ますます増えていくのではないかと思われます。
このような歴史の中で、現代心理学に大きな影響を与えた学派が、
「認知心理学」「人間性心理学」「新行動主義心理学」の3つです。
それぞれについて、以下で説明していきます。
2.心理学学派① 認知心理学
認知心理学は、出来事そのものより、どう考えたかという心の動きに注目するものです。
例えば、
①将来、カウンセラーになりたいな
②資格を取るのは難しいのかな?費用は払えるかな?仕事にすることができるのかな?
③少し難しいけど、やってみたいから挑戦しよう!
①の動機があり、②の考察があり、③の決心がある。
このような一連の心の流れに注目するのです。

②の考察が重要な部分で、失敗したときに「もう無理だ」と思うか、「次に活かせる」と思うかで、心の負担は大きく変わります。
同じ出来事に対する考え方の違いを理解することも大切な要素なのです。
コーチングでは、この “考え方のクセ” に気づくことが大切にされます。
障害者福祉の現場でも、「できない自分はダメ」という思い込みを和らげることで、自信につながったり、行動の幅が広がることがあります。
このように、考え方(思考の癖)を知り、整えることは、前に進む力になります。

3.心理学学派② 人間性心理学
人間性心理学は、「人は本来、成長する力を持っている」と考える心理学です。
大切なのは、アドバイスや指示よりも、相手の話を丁寧に聴き、否定せず受け止めること。
コーチングで重視される「安心して話せる関係性の構築」「動機付け」「併走」という考え方は、まさに、ここから来ています。
障害者福祉でも、「支援される側」としてではなく、一人の人として尊重されることで、表情や行動が大きく変わる場面があります。
信頼関係が、人の力を引き出すのです。

人間性心理学の考え方から生まれたのが、
カール・ロジャーズの「来談者中心療法」という心理学の治療法です。
ここで提唱されている
「受容」「共感的理解」「自己一致」という3つの態度は、現代カウンセリングの基礎として支持されています。

4.心理学学派③ 新行動主義心理学
新行動主義心理学は、心の動きではなく、目に見える行動に注目した学派である行動主義心理学から発展したものです。
外部からの刺激に対して、このような行動を取るという動きを研究した行動主義心理学。
それは、S→Rの理論と呼ばれますが、そこに、欲求を加えたS-O-R理論として確立させたのが、新行動主義心理学です。
S:外部からの刺激(できた!褒められた!など)
O:欲求(もっと上を目指したい!嬉しい!)
R:反応(もっと頑張る。次もやる)
つまり、欲求の部分で、どう思うかによって、その後の反応(行動)に大きな差が出るという考え方です。
例えば、できたことをしっかり認める、安心できる環境を整えるなどをすることで、欲求をコントロールし、より良い反応へと導いていきます。
障害者福祉では、この考え方が日常の支援で多く使われています。
小さな成功体験を積み重ね、それを都度承認することで、行動が安定し、自己肯定感を育てることができるのです。

5.人間の心を理解することから始まる障害者福祉
障害者福祉やコーチングに共通するのは、「その人を無理に変えようとしない姿勢」です。
考え方に目を向ける認知心理学、存在を尊重する人間性心理学、行動を支える新行動主義心理学。
それぞれが、人を理解するための異なる視点を与えてくれます。
正解を押し付けるのではなく、その人の心を理解し、寄り添うこと。
そこから、本当に意味のある支援や成長が始まっていくのだと思います。

将来は、わらび餅をメニューの1つにしたカフェをオープンし、その片隅で、カウンセリングサービスもできたらと考えています。
私の将来構想については、こちらの記事をご覧いただけますと理解頂けると思いますので、ご一読頂きたいです。
奥が深い人間心理、これからも、もっと学んでいきたいです。

